部下を怒鳴る上司を、どう育てるか
皆さんおはようございます。
専門職企業のためのコミュニケーションコーチ 寺田麻子です。
さて今日のお話は、
【頭ごなしに部下を怒鳴る上司を、経営者はどう育てるべきか?】Vol1
というテーマでお話いたします。
せっかく若手の社員の個性を大切に育てていきたいと思っているのに
「だからお前はダメなんだよ!」
「そんなことは自分の頭で考えろ!」
「なんでそんなこともまともに出来ないんだ」
「こんなことも出来ないなら辞めちまえ」
と大きな声で伝える上司に、どんどんと小さくなっていく若手社員の姿に
内心 いつ「辞める」と言い出すのではないかとヒヤヒヤしながらも、
その上司は仕事も出来るので、そちらに辞められても困ると
胃に穴が開きそうになりながらも、どうしたら良いのかと考えあぐねてしまう場面は
在りませんでしょうか?
まずは、なぜ?
こういった状況では力を発揮できない状態が起こるのか?という心理的なことからお話していきます。
マズローの5段階欲求というお話をお耳にしたことがあるかと思います。
少しだけ復習を兼ねてお話いたします。
1963年マズローさんが提唱した心理学です。
「人間は自己実現に向けて絶えず成長し続ける」という仮説をもとに作られた理論です。
このマズローの5段階欲求では
人間の尊厳と成長についての5ステップに分けて説明されています。
1ステップ(もっとも基礎となる部分)
生 理 的欲求・・・生命維持に関わる欲求(食欲・睡眠欲・排泄欲・性欲等)
2ステップ(まだまだ生命維持の土台となる大切な欲求)
安心安全の欲求・・・身の安全・身分の安全・不安や混乱からの解放等
3ステップ(やっと個人としての欲求から人間本来の群れを成す欲求へ)
所属と愛の欲求・・・孤独や追放された状態を避ける・共同体の一員に加わりたい等
4ステップ(尊厳の欲求・自尊の欲求)
承 認 の欲求・・・実は二つの欲求に分かれています。
- 自分の自分に対する評価の欲求(自尊心)達成・能力・自由・強さ・自由など
- 他者から受ける評価に対する欲求(尊厳)評判・信頼・地位・名誉・優越
これらが満たされない状態が起こると、焦燥感や劣等感、無力感、無価値観へと繋がっていきます。
5ステップ(ここを目指して欲求を積み上げていく)
自己実現の欲求・・・誰でもない自分の能力を開花させる状態
つまり個性を活かしあえる組織とは個人がこの状態になっていることが必須の
条件ということです。
これはあくまで私の主観ではありますが、私は実は6段目があるように感じています。
その6段目とは
6ステップ(人のために行動する)
他己実現の欲求・・・他者の成長や成功に対しサポートする気持ち
以上がマズローの5段階欲求+1(寺田バージョン)です。
さて話を元に戻しますが、
「だからお前はダメなんだよ!」
「そんなことは自分の頭で考えろ!」
「なんでそんなこともまともに出来ないんだ」
「こんなことも出来ないなら辞めちまえ」
と日々言われ続けた部下はこの5ステップのどこが満たされない状態になると思われますか?
これは「安全安心の欲求」が揺らぐという大変な事態です。
これでは会社に集う人々の個性が生きる企業文化を創ることは難しいのは明白ですよね。
そこでまずはやらなくてはならないことは、
部下を頭ごなしに怒鳴る上司の成長を促さない限り、企業の成長は難しいということです。
そしてその成長を促すことが出来るのは経営者であるあなた以外にいないということです。
さて、それではどのように育てていくのがベストなのでしょうか?
それについては、次回ゆっくりお話いたします